夏色のキミ〜sea side


「建斗…」



「ん?」



「……純は…どこに居るの?」



建斗は私を見つめ 目を丸くする。



「建斗…お願い、正直に言って。純はどうしたの?どこにいるの…?」



建斗の顔を真剣に見つめると 彼は暫く考え込んだ後、決意を固めたように私の前に座り直した。





「亜紀…純はもう、おれへん」





じゅんがいない…



はっきりと聞こえた建斗の言葉。



その瞬間、ああ なんだ…だから…



だから

歯ブラシセットも着替えも
なくなってたんだね…。


自然に、そう受けとめた。




なぜだろう


純はもういない


そう言われてるのに
何でこんなに落ち着いていられるんだろう…






それはきっと



純がいなくなる事を



どこかで予想していたからだろうか…。





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