夏色のキミ〜sea side
強引に
さくらに連れて来られた場所は 屋上。
空はすっきりとした快晴で冬ともいえど、太陽がぽかぽかあたって暖かい。
「どうしたの?さくらがさぼるなんて、珍しいね」
「うん 亜紀の愚痴でも聞こうと思ってね」
そう言いながら手刷りに凭れ、隣の私に目配せするさくら。
やっぱり私は
さくらには適わないらしい。
「私に嘘つくなんて、百万年早いよ」
「あはは…さすがさくらだ」
そこまで言って 涙が溢れてきた。
建斗の前で泣いて以来
ずっと涙は流していなかったのに
さくらの前じゃ
私はどうやら感情を我慢出来ないらしい。
どうしてかな
さくらに言われると
安心して思いきり泣いていいんだって思うの。