夏色のキミ〜sea side
「…純くんはさ…亜紀を好きだからこそ、亜紀には何も言わなかったんだよ」
「分かってるの…分かってるけど…っ純がいない毎日を…どう過ごせばいいか分からないの…何をしてても純の顔が浮かんでくるの…もういないのに…っ忘れられないの…」
次から次へと出てくる涙と弱音
誰かに言いたかったのに
閉じ込めていた叫び
そんな私にさくらはそっと一言。
「そのままでいいと思うよ」
思いがけない言葉に 私はさくらの方に顔を向けた。
「純くんがいなくなったからって…忘れる必要なんてないよ。亜紀が純くんを好きなら、そのままでいいんだよ」
……純を
好きなままでいい…?
「無理に忘れなくていいんだよ。亜紀」
ああ
なんだ…そっか
純がいなくなったからって
無理に忘れなくていいんだ…
まだ私
純を好きなままでいいんだ…。
「亜紀、気付いてあげられなくてごめんね」
申し訳なさそうに眉を下げるさくらに
私は何度も首を横に振った。
また
忘れかけてた
私には
支えてくれる友達がいる。
こんなに
優しい友達がいるって事。
ねえ 純
私、
今度こそ
大丈夫だよ。