夏色のキミ〜sea side


一番家が遠い私は
先に学校を出る事にした。


下駄箱で靴を履き替え
いつものように上履きをしまおうとして
はっとした。



…そっか


もう持って帰らないとだめなんだった


何だか寂しいな
と思いつつ、持ってきた袋に上履きを入れる。



卒業証書に卒業アルバムに上履きに…


思い出がつまった荷物を持って 私は校舎を後にする。


正門を出る前
校庭に咲き乱れた桜の木が目に入った。



三年前



初めて純と出会った時も
さくらが咲いてたね。


結局純は最後まで
私に桜の花びらをくれた事
思い出してくれなかったね。



学ラン姿の純の背中と
そこに舞い散るさくらの花弁が綺麗で

私はきっと
あの日から 純の事が気になってたんだ。



あれからもう三年が経って


私はこの学校を
無事卒業する事が出来たよ。



じゅん…





純は今 何してる…?





きっと


元気でいるよね。





私はやっぱり

純が忘れられないよ。





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