夏色のキミ〜sea side


「行こっ!」



どうすればいいか分からず 私は勢い良く立ち上がり、波打ち際に向かって走った


ローファーと靴下を脱ぎ捨て
水に足をつけた


ヒヤっとする。



「まだ冷たいだろ」



はは、と笑う“純”


そんな彼も裸足になって
波打ち際へ。


4月半ば

海はまだまだ冷たい。





「つめてっこれ風邪ひくって」


足をつけた途端、彼はそんな事を言う


「ひかないよ〜 純ってヤワなんだね」


「何だとこら」



青空をバックに笑う純に
ドキドキして

純 と呼ぶ自分の声が何だか甘ったるい気がして


4月の海なのに
何だか暖かい気がして





純、

この日から
私の中はあなたでいっぱいになったの



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