夏色のキミ〜sea side
流れる光を見ながら、そっと純の背中に声をかけた。
「純、もしかして…恥ずかしい?」
ナイーブに言ったつもりだったのに 純は更に耳を赤く染めた。
「なっなに言って…っ何で俺が照れるんだよ!」
明らかにいつもとは違う 上ずった声。
「だって、耳赤いし」
そんな彼が可愛くて構わず指摘する私。
「あ、暑いからだよ!」
とってつけたように反論する純
いくら暖かくなったとは言え、五月の夜はまだ冷える。
苦しい言い訳を必死にする純が 可愛くて仕方ない。
やっぱり私、この人の事好きだなぁ
しみじみと そんな事を思った。
「…ったく、こんな遅い時間まで遊ぶなよ。ほんと危ねぇから」
これ以上からかわれるのはごめんだ。とばかりに、話を変える純
「分かってるんだけど、つい。純って家あの辺なんだ?」
「おう。駅からすぐんとこ」
なるほど だからあんなにすぐ来られたのか。
でも いくら家から近い所に友達が居たからって わざわざこうして送ってくれるだろうか?
純は昔からそんな感じなのかな?
海に行った時も家まで送ってくれたけど
それとこれとは また話が別だ。
…純、そんな事されたら 私 期待しちゃうよ