夏色のキミ〜sea side


連日降り続いた雨が上がり

雲の切れ間からは久しぶりだと太陽が顔を覗かせる。




「もうすぐ夏休みかぁ〜」


ド派手なピンクのTシャツを着た建斗が 窓の外を見上げて言う。

女の私でさえ似合わないだろう色を 彼は簡単に着こなしてみせる

今日は 前髪を括るシュシュまで合わせてピンク色だ。



「林家パー子みたいだね」


「パー子て…せめて男やねんからペーにしてくれや」


そういう問題なの?

思いつつ、毎日変わる建斗の格好に 私は感心してしまう。


私もいい加減 髪型変えようかな


伸ばしっぱなしのミディアムロング 黒寄りの茶髪

万年同じ髪型…


少しは建斗を見習わなくては。



「あ〜、あっちー」


第二ボタンまで開けた襟元を掴んでパタパタしながら やっと登校して来た純。

もはや遅刻常習犯


彼が二時間目の休み時間に来るのが当り前になっていた。


開けられた胸元が 妙に色っぽくて ドキッとした


この人は 登校早々私の心を掴んでしまうらしい。



< 44 / 201 >

この作品をシェア

pagetop