夏色のキミ〜sea side


「電話、してこいよ」


「え?」


突然の純の言葉に 私は耳を疑った。

目を合わせると 彼はやれやれと眉を下げた。


「一人で抱え込むなって言っただろ」


…純


何でそんなに私に優しくしてくれるの


そんな風にされたら 純を好きになり過ぎて 怖くなるよ



「はい、分かったら解散〜」


明るく言い放ち、鞄を手に取る純

目の前に立ち尽くす私の肩をぽん、と叩いて彼は教室を後にした。



触られた肩が熱い…



“電話、してこいよ”

“一人で抱え込むな”



純の言葉が 胸に響いて離れない。



ねぇ 純

私こんなに君の事を好きになって どうしたらいいの?



< 55 / 201 >

この作品をシェア

pagetop