夏色のキミ〜sea side

声のした方を見てみると 純がこっち、と手招きしていた。


私は小走りでそちらに向かう


5日ぶりに見る純の姿

送ってくれた時以来に見る純の私服姿

何もかもが嬉しくて、顔がにやけそうになる。


「気付かなかったよ いつ来たの?」


「5分前くらい。壁で見えなかったんだろ」


言いながら自転車に跨って 乗れ、と顎を動かす純。


私は荷台に跨ろうとして あれ?と思った。


「あ、いいだろ それ」


荷台に置いてあったのは
いちご模様の小さな座布団


「亜紀にぴったりだと思って」


いちごオレが好きだから?

そう聞こうと思ったのに 言葉が出てこなかった。


変わりに

純の背中に 思い切り抱きつきたくなった。


だけど そんな事出来るはずもなく
ありがとう 小さく呟いていちごの座布団に座った。


荷台にいちご模様の座布団なんて、恥ずかしかっただろうな

純のそんな姿を想像すると 何だか可愛くて。


その背中を余計に抱き締めたくなった



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