夏色のキミ〜sea side



「どこ行くの?」


前は聞けなかった事を 今はこんなに普通に聞ける。

少し 距離が縮まった証拠だろうか


ゆっくりでもいいから こうしてお互いに簡単に聞ける事 が増えていけばいいな


なのに純は


「秘密ー」


と意地悪な事を言う。


でもまあ 可愛いからいいや


ふた月前には無言だった私達も ぽつりぽつりとだが、自然と言葉を交わすようになった。


これで私の緊張がなくなれば もっと沢山話せるようになるだろう。


生暖かい風が頬を掠める中 ゆっくりと沈んでいく夕焼けを見ていた。


オレンジ色に染まる空


夕日に透ける 純の髪の毛が、きらきら光って綺麗だった。


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