夏色のキミ〜sea side
私は言われるまま自転車を停めている所まで戻った。
後ろを振り返りたかったけど それはあまりに怖くて出来なかった。
きっと 純はあの人達と喧嘩する
純の知り合いなのかは分からないけど
向こうは純を知っていた。
連れが世話になった って 、純があの人の友達に何かしたって事?
純はそんなに恨まれるほど悪い事をしてきたの?
もしかして前に怪我して登校して来た時の事と関係がある?
…全然分からない。
だけど
きっと普段からああして絡まれてるんだ。
学校に居る時は全然分からないのに 外に出ると純が過去に何をしてきたか
よく分かる。
そろそろと砂浜を見下ろしてみる。
純とあの人達の姿はない
…どこに行ったんだろう
急に不安になり、胸騒ぎがしてくる。
相手は3人 いくら喧嘩慣れしているとはいえ
純がやられても不思議じゃない。
ましてや
前みたいに怪我をして帰ってきたら…
ぎゅう、と肺が苦しくなる。
いてもたってもいられず 踵を返そうとした時
「あ、お待たせ」
ちょうど階段を上がり切った純が 平然と立っていた。