夏色のキミ〜sea side
「ごめんな。ラスト、花火見れなかったな」
居心地悪そうに頭を掻く純
そんな姿を見て、私はその場にへたり込みたくなった。
「…怪我、ない?」
「余裕だって」
言いながら私の隣に来ると 純は、ぼんやりと浜辺を見下ろしてから 闇に染まった沖合を見やった。
ちらりと彼を横目で見ると、本当に怪我はしていないようだ。
私はほっと胸を撫で下ろす
「あんまり…心配させないで」
勝手に出た言葉は 紛れもなく本心だった。
純はちょっとびっくりしたように私を見て、悪戯に笑った。
「そんなに俺の事心配してくれたわけ?」
そう言われると 急に恥ずかしくなって
「ち、違う!帰り道の心配しただけっ 純が居ないと帰れないもんっ」
と 憎まれ口をたたく私。
…だけど本当は 心配で仕方なかった
純が怪我だらけで登校して来た時みたいに
あんな姿で帰って来たらどうしようって
心配で仕方なかったよ。
本当なら 喧嘩なんてしてほしくない
純が危険な目に合うなんて 嫌なのに。
彼は絡まれれば 身を守る為に喧嘩しなきゃいけない。
そう思うと
何だかすごくやるせなくなる…。
やっぱり私には 何も出来ないのかな