夏色のキミ〜sea side


「青島純って、中学の時 すごい荒れてたらしいよ」


休み時間 私の机に来るなりそんな事を言い出したさくら


「結構、やばい事してたって。喧嘩は当たり前で、暴走族入ってたりしてすごかったらしいよ」


どこでそんな噂を聞いたんだと思ったが、そういえばこないだ
クラスの男子がそんな事を話していたのを、ふと思い出した。



「そういえば男子が言ってたね。本当なのかな」



ちらり、と斜め前に居る青島純に目を向けてみる。


彼は席に座ったまま窓の外を見つめていた。


確かに朝見た時もヤンキーオーラを発していたが 見る所、そこまで粗暴な問題児にも見えない


私からすれば

むしろ彼には
なんだか儚さや寂しさを感じる。


なんでだろう…



そんな事を思いながら青島純を見つめていると
彼が振り向きそうになったので
私は慌てて顔をそらした。




…入学式以来 学校にも来ないで何してたんだろう

風邪とか言ってたけど
先生は普通にスルーしてたし、きっと違うんだろうな


てゆうか、朝花弁を貰ったのが私だって
気付いてるのかな…?



青島純から目を背けたのに、私はまだ悶々とそんな事を考えてしまっていた


そんな中





―ガラッ



教室の入り口から
今登校して来たらしい男子が入って来た。


いつもながらに目立つその姿は、クラスメイトの坂上建斗だった。


「ジュン!遅いわお前っやっと来たんか」


青島純の姿を見つけると
嬉しそうに笑顔で駆け寄る彼



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