夏色のキミ〜sea side

「なぁにイチャこいてんねん〜 もしかしてお前ら付き合ってるん?」


「な…っ何言ってんの!?」


やばい いま声裏返っちゃったよ


「口動かす前に手動かせよ〜」

平然と建斗をあしらう純


建斗はつまらなそうに、へいへい と純に釘を渡していく。


……なんか私だけ焦って すごく恥ずかしいんですけど


純は何とも思ってなさそうだし

ちょっと寂しい。


純は好きな人とかいないのかな


学校では私達と一緒だけど 外ではどうなんだろ


他の友達と遊んだりしてるのかな

その中に女の子がいたりするのかな



…そんな事を考え出すと
胸の辺りがもやもやする。
ちょうどその時
さくらに呼ばれた建斗が立ち去り
タイミング良く二人きりになってしまった。



よし!

思い切って聞いてみようっ



「ねぇ、純ってさ」


「ん〜?」


看板に目を向けたまま
金槌で釘を打つ姿がまたかっこいい。



「学校以外の友達とかと遊んだりするの?」


自然に聞いたつもりだったのに


「へ?何で?」


純は不可思議そうに首を捻った



「え?あ、いや 深い意味はないけどっ」


慌てて返すが なんかよけい意味深な言い方…


「まあ、たまに遊ぶけど」


「あ そうなんだ。ふーん…」


さすがに 女の子とも?
なんて聞けない。


そんなの聞いたら 純が好きだってバレバレだもんね


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