夏色のキミ〜sea side


「亜紀は?」


リズミカルに釘を打つ音の合間に挟んで純が聞く


「私は 全然会ったりしてないかな…」


「ふーん…」


「…何で?」


「いや 別に」



…もしかして純も私の事気になってたとか。


なんて 有り得ないか


私が聞いたから聞き返しただけだよね


変に期待するのはやめよう




「亜紀、純くん!見てっ」


楽しそうなさくらの声に振り向くと


「どうや、似合うやろっ」


セーラー服を身にまとった建斗が 自慢気にギャルポーズを決めていた。


元々可愛いらしい感じだった建斗のセーラー服姿は
本当に似合っていた。


てゆうか 脚ほそっ!



「お、亜紀より似合ってんじゃねぇ?」


私の隣で無邪気に笑う純。


…ちょっと


いや だいぶショックなんですけど…



「亜紀、どうしたん暗い顔して」


近くで見れば見るほど可愛いらしい建斗。


なんか化粧までしてもらってるしっ



「…建斗なんて嫌いッ」


「へ!?なんでやねん!」


完全な八つ当たり。


あーあ…


私だって純に 似合ってる って言われたいよ



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