夏色のキミ〜sea side

両親



過ごしやすかった気温がぐっと下がり、
日落ちが早くなったこの頃。


ブレザーにカーディガンを着込みながら 私は窓の外をぼんやりと見つめていた。

通学路の並木道。

青々していた木々は
枯れはてて寒々しく見え、私の心は余計に寂しさを感じた



「…どうしたんだろうね。純くん」


気遣うさくらの声にも 小さく頷く事しか出来ない。


12月に入って二週間が経とうとしている。


私の斜め向かいの席は
今日も空席だ


12月に入ってから
純が学校へ来ない。


建斗や先生に聞いても 知らない
と、とぼけられてしまう


建斗なら絶対何か知ってるはずだと問いただしたが
彼は本当に何も知らないのか 分からない と続けるだけだった。


私も何度か電話してみたが 呼び出し音は鳴るものの本人が出る事はなかった。

一度もした事のないメールだって何度かしてみたが
やはり返信はない。



…純 どうしたの?

何してるの?



毎日そんな事を考えている内に 何故だか純が離れてしまうような気がした。


何だか分からない、恐怖心


純がいないだけで こんなに不安になるなんて

気付かなかったよ



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