夏色のキミ〜sea side
「辛い事って何?純はどうなってるの?」
机に手をつき、身を乗り出す
そんな私に驚きつつも建斗はただ
言えない と続けた。
しつこく問いただそうという気は起きない。
彼の表情が
これ以上何も聞かないでくれ と語っているからだ
そんな顔されたら何も聞けない。
「…建斗は…色々知ってるんだね」
「いや、全部を知ってるわけちゃう」
「…お願い、建斗。教えて」
やっぱり、訊かずにはいられなかった
建斗が辛そうにしているのは分かってるけど どうしても諦めきれない
純が何か辛い事を背負っているんだと聞かされれば
余計に引き返すわけにはいかなかった
建斗はしかめっ面で暫く考え込んだが
私の決意を汲み取ったかのように
ゆっくり立ち上がった。
「着いてきい」