夏色のキミ〜sea side



そしてやってきた

クリスマス当日





「今日 友達の家に泊まるから」


コーヒーをすするお父さんに 何となく早口でそう言うと


「友達じゃなくて彼氏じゃないの?」


お兄ちゃんがすかさず横から突っ込んできた。


違う と慌てて否定すると
お兄ちゃんは私の答えを無視して喋り続けた



「あ!もしかしてコンビニで一緒にいた奴!?」


コンビニ?


一瞬誰の事だと思ったけど
そういえばお兄ちゃんと会った時
建斗も一緒に居たんだと思い出した。


「派手な奴だったな〜そうか あれが亜紀の彼氏か」

「違うってばっ」


仕事が休みだと昨夜から泊まりに来ているお兄ちゃん。

家に家族が揃うのはすごく嬉しいけど あまりろくな事は言わないでほしい



「亜紀っそんなチャラチャラした奴 お父さんは許さんぞっ」


「だから違うって!」



元々親バカなお父さんは ちょっと本気で怒っていた。

お父さんとの間には
離婚してからも気まずい空気が流れていたが

今やこうして普通に話が出来る。


ずっと
私が取り戻したかった家族三人が笑っている風景


やっと出来た家での 居場所。





私 家に居ても笑えるようになったよ。


純の言葉に励まされて ここまできたんだよ



ねぇ だから



今度は純が頑張る番だよ。


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