夏色のキミ〜sea side
「う、うんっえっと 寝れなくて 皆に布団とか掛けてたのっ」
「あー…さんきゅ」
純はそう言って体を起こすと
枕元に転がっていた煙草とライターを手に取り、一服を始めた。
「眠れねぇの?」
「あー…まあ…そんな感じ」
と言うか
寝姿が気になって
最後に寝て最初に起きたかっただけなんだけどね
まさか純にそんな恥ずかしい事は言えない
「添い寝してやろうか」
「え!?」
私の反応を横目に クスクス笑う純。
またそうやってからかうんだから
本気にしちゃうからやめてよね
「けっこーですー」
「ほんとはして欲しいくせに」
「ありがた迷惑ですー」
何がおかしいのか純は あはは と笑う。
ちょっとは私の気も知れっつーの…
「あ そういえば、仲良くやってる?」
純はガラスの灰皿に煙草を押し付けながら ちらりと私に視線を向けた。
「兄貴も帰って来たんだろ?」
「あ、うん」
そういえば お兄ちゃんが帰って来て、お父さんが離婚してから先の事は
ちゃんと言ってなかった。
「今はすっかり普通だよ お父さんとも…仲良くしてる」
「そっか…良かったな」
純はいつも私に優しい笑顔をくれる。
その笑顔に 純の言葉に
私はいっぱい励まされてきたよ