【被害妄想彼氏】アンケ小説
逆乗りしろよ、と慎一が修司の頭を掴む。
係りの人に押さえられて、事無きを終えた。


「もう、修司兄ちゃんも慎一さんも大人気ないなあ。真知子!一緒に乗ろ!!」


大和は真知子の手を引き、一緒に座った。
座席は前から三番目。


「よし、じゃー俺はひとりで二番目乗るから、修司と兄貴は一番前乗ったら?なんか面白そうやし。」


慎二がそう言うと、修司の顔はゲッソリした。


「何言ってんの、慎二!ここは親友同士、一緒に乗るべきだ!」


修司は無理矢理慎二の隣に腰を下ろそうとした。


「じゃ、俺は修司にちょっかいかける為に逆乗りするか。」


「悪魔だ!大魔王だ!!」


修司は逃げ場がどこにも無いと判断し、大人しく慎一の隣に座る事にした。
逆乗りはやめてくださいと、係員に言われてしまったからだ。


シートベルトもちゃんと閉まった。


『それでは発車します。』


音が鳴り、ゆっくりと進んでいく。
この先には大きな急降下。


「あ~…ドキドキする。」


そういえば最近、ジェットコースター乗ってなかったな、と修司は思う。


「おい、修司。」


慎一が修司に呼びかける。


「ジェットコースターが下降したら、いや…してる時。真知子に愛の言葉叫べ。」


「はっ!?」


「お前知らんの?ここのジェットコースターの中心で愛を叫んだら、相手との子供は双子の子が産まれるねんて。」


「いや、一人でいいんですけど…」


「つべこべ言ってたら、お前のシートベルト外すぞ!」


でも、慎一さんならやりかねないと、修司は思った。
ここはしたがっておこうと。


双子の誕生が楽しみだと。
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