私を見なさい!!!
「――誉ちゃん?」
「っ。ごめんなさい…何?」
珍しく長い間黙りこくってしまった。
仁美君は心配したように眉を寄せ私を見ている。
「いや、誉ちゃん怖い顔して黙ってるから…俺何かしちゃったかな?」
そんな風に、いつも私を真っ直ぐ見つめてくれる。
だけど、
そこに愛は無い気がする。
きっと仁美くんは、誰にでも真っ直ぐ見つめる。
勿論、そこに愛が無かかろうと。
あの人は、写真の中に居た男は、違ったんだろうな。