私を見なさい!!!
「そんなに思い詰めるなら直接聞けばいいじゃん。蒲田はストレートで直球なのが得意なんだからさ」
「そんな事…何だか失礼。それに虚しいじゃない。あと、私を野球の球みたいな呼び方しないで」
今は剛球じゃないの。
軟式よ。
踏まれたら逃げるような弱い球なの。
「ずっと黙って大人しくしてるの?」
「…………」
だけど、それも違う気がした。
違うわ。
そんなの私じゃない。
『私を好きになりなさい』言ったのは私よ。
黙って大人しく?
誰よ?
「蒲田は黙って待つ女じゃない。追わせるように仕向ける女だよ」
南は優しく微笑んでそう言った。
その言葉が何故かもの凄くしっくりきて、私の中にストンと落ちてきた。