私を見なさい!!!
最大の敵は
「誉、支度大丈夫?」
「うん。あ、待って携帯…」
何時しか奴は私を『誉』と呼ぶようになり、
私は奴を『仁美』と呼ぶようになっていた。
誰がそうしろと言うでも無く、お互いが自然にそうなっていったのだ。
「ごめんなさい。次は支度バッチリよ」
「じゃあ、行こうか」
少し古ぼけたアパートの扉に小さな鍵をかける。
今は看護師免許を取る事で精一杯の私と、大学とバイトで忙しい仁美は小さなアパートを借りるのが精一杯だ。
だけど、私はこの古ぼけたダサイ扉を愛しく思う。