私の小さな物語
「ほら、奏。帰らなきゃ」
「……ん」
真っ赤にはらした目で帰るのは嫌だったけど、
柊君が有無を言わさない様子だったから素直に頷いた。
でも、結局。
何で二人はあそこにいたんだろう。
「ねぇ、何で美羽さんといたの?」
「会いたいって言われたんだ、美羽に。
それで柊のことは諦めるから最後に会いたいって」
「ふーん……」
それで手ぇつないだんだ。
柊君が優しいのは知ってるけど。
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