私の小さな物語
校舎裏にある外階段に座る咲人。
その右手にはケータイが握られている。
相手は言わずとわかる。
きっと美羽さんだ。
だって咲人の表情が違うから。
笑顔が、口調が、優しさが、
アタシに向けられているものと決定的に違う。
勝手な被害妄想かもしれないけど。
そう思ってることを咲人に言おうとは思わない。
アタシは、言っちゃったから。
『アタシは二番目でもいいよ』
言わなきゃよかったなんて思わない。
思ったらいけないんだ。