私の小さな物語





何その質問。





アタシは立ち止まってケータイの向こうの高梨に答えた。





「泣いてないよ。


心配しなくてももうご迷惑はおかけしませんので」





『我慢すんなよ』





「はい?」





高梨は呆れたように言う。





『お前がそんなにすんなり親離れできるわけないだろ。


泣きたいときは思いっきり泣けば?』





強がってもすぐにバレてる。





高梨には嘘つけないなぁ。





「……っく…ひく……っ」




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