私の小さな物語
「とりあえず帰るか」
「うん。あ、でも寄らなきゃいけないところがあるから」
「じゃあそこまで送ってく」
高梨はそう言ってアタシを引っ張り起こした。
そういえばアタシここからの帰り道わかんないじゃん。
柊君にくっついて歩いてだけだから道の記憶が全くない。
高梨を呼んで正解だった。
アタシは高梨に支えられて立ち上がり、公園の入り口に足を向けた。
そして、視線も一緒に。
そこには予期しない人物が立っていた。