私の小さな物語
比べるわけじゃないけど、柊君とは全く違う。
柊君はいつも細部まで計画してたから、あたしは全部彼にまかせっきりだったけど…
この人は本当に無計画。
どうせ何時まで遊ぶともどこに行くとも考えてないんでしょう。
ま、あたしはそれでも困らないけど。
早くも夕暮れの空。
夏の名に恥じないほどには夕方でも暑くて、歩いてるだけで汗がにじんでくる気がする。
「涼しいとこってどこだろ?」
唐突に高梨が尋ねてくる。
「え、カラオケとか駅ビルとか…」
「カラオケ!それいい!」