私の小さな物語
不器用なキミ
雑然とした景色の中で無邪気に笑う君は呆れるほどに美しかった。
誰か教えてください。
俺の真実を。
見上げた空に尋ねても、威張った大人に尋ねても、
いつだって答えは返ってこなかった。
だから俺は過ぎていく毎日に置き去りにされたくない一心で縋り、追い続ける。
縋りついたそれが何かも知らないまま。
俺はずっと他人に答えを求めて自分で見つけようとは思わなかった。
すり寄ってくる女は拒まなかったし、
友達になろうって言ってきた奴も全部受け入れた。
そうすればいつかわかると思ったから。
俺の存在意義が。
俺の真実が。