私の小さな物語
そんな時に出会ったんだ。
小さな体で必死に生きているキミに。
廊下で一人ノートを運んでいたキミ。
その頑張ってる姿に俺は何かを感じたんだ。
だからか、俺にしては珍しい言葉が自然に零れた。
「ありがとう」
今までほとんど使ったコトがない言葉。
それが円滑に出てきて、自分でも少し驚いた。
キミも少し戸惑ったような表情で俺を見つめていた。
最初の出会いはそんな小さな出来事。
人生に一ページに飾られるかも怪しいくらいの、何でもないことだった。