私の小さな物語
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帰り道。
うす暗くなったいつもの道が、なんだか普通よりも綺麗に見えて
あたしは知らず知らずのうちに微笑んでいた。
「何笑ってんの?」
「ううん。何でもないですよ」
「さよで」
繋いだ高梨の手はすごく暖かくて優しい感じがする。
「あのね」
あたしはふいに隣の高梨に声をかけた。
二人の伸びた影はくっついたり離れたりしながら揺れている。
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