私の小さな物語





別れたはずの二人は、



仲睦まじく駅の方へ歩いて行く。





そしてそれを呆然と傍観するあたし。





そんな奇妙な構図の中、



あたしは気が付くと二人と反対の方に駆け出していた。





見たくない。





気付きたくなかった。





知らなければよかった。





「いやだ…ッ」





泣き出しそうになるのをこらえながら



夜を迎えようとしている街を走り続ける。





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