ビター・ビター・チョコレート
「――で、それから気まずいとか。度量の狭い男だな」



何かあったのか?と卓真に聞かれたから、思い切って話したのに。



呆れられた。




珍しく、男二人でカフェに来ていた。



卓真はタバコを吸うので、オープンテラスに座っている。




ふーーーーーーっと煙を顔に吹きかけられた。



「ごほっ」



「まあったく、そんなの最初から分かってた事じゃん。セックスして前の男がちらつくなんて、よくある話だよ」



「そう……だけど……」



「お前だって、美琴が初めてじゃないんだろ?だったら、前の女に使った技、美琴にもしたんだろうに」



「技って……」



「まさか、ロクな前戯もしないでブチ込んだワケ?」



目つきの悪い目で、ジロリと睨まれた。



俺の顔が、かーっと赤くなっていく。



「した……かも……」
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