ビター・ビター・チョコレート
「ううん、優しいよ」


と、首を振る。



「俺、小さい男だけど、美琴の為に頑張りたいんだ。美琴を泣かせたくないんだ。ずっと笑っていさせてあげたい。そう思ってただけなんだ。でも、いっつも泣かせてしまって。俺って、本当にダメな男でさ……」




「そんな事ないよ。ありがとう」




「これ……」



莉玖の腕が首を回る。



胸元にぶら下がっていたのは、四葉のクローバーのペンダントヘッド。



「指輪じゃ重いかなって思ったから、首輪!」



あはは。と二人で顔を見合わせて笑った。




「私が四葉のクローバーグッズ好きなの知ってたんだ」




「前に、杏奈と話しているのを聞いてて。……ちょっとストーカーっぽい?!ドン引き?」




と、顔を覗き込まれる。




「ううん、嬉しい」



莉玖の首に腕を回す。




夜景も目に入らないくらい、莉玖だけを見て長い、長いキスをした。
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