ビター・ビター・チョコレート
私と杏奈も野次馬根性で見に行った。




「酷いじゃない!最低よ!!!」



女の子……と、慧人だった。



慧人の頬が赤く腫れている。



いわゆる、痴話喧嘩ってヤツ。




「始めに言っただろう?お試しって」



「そもそも、お試しってのが人をバカにしてるっていうの!こっちは本気なんだってば!」




……確かに、女の子が怒るのも無理ない。




「行こう、美琴。うちらはもう関係ないし」



杏奈が、この場から離れようとする。




周りの人で、私のことを見ている人もいた。




元カノが見学しにきている。そう思ったに違いない。




「別れない。私は別れないからね。福島と別れてよ!!」



福島……と聞いて、足が止まる。
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