空に掛かるアーチ

 
 
新しい住人さん、村上海斗くんの電話を切った後、私はさっきの会話を思い返していた。


此処の人たち以外の人と会話するのは久しぶりだ。しかも、友達にまでなった。


私は嬉しくて、自然と顔が綻ぶ。


本当に私の願いは叶ったのだ。窓の遥か向こうにある虹を眺めていると、頬に一筋の涙が落ちた。


七色の輝きが滲んで、どうしようもないくらい、涙が溢れた。




もう、独りじゃない。



私は携帯電話を強く握り締めた。
 
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