黒アゲハ Ⅰ -小さな宝物- 【完】
「結奈ちゃんの前の感じよりも、こっちの方が断然似合ってるよ」
「ありがと」
ほんと流星はお世辞がうまい。
似合ってる、とか可愛いとか……
さりげなく言うところが紳士だよ……
あたしはソファーに座って、流星からもらった炭酸飲料を飲んでいた。
めっちゃ強い視線感じるんですが……
視線を感じた方を見ると、ばっちり健と目が合った。
「よくそんなでかいの耳に付けてられるね」
「好きだから、さ」
「重たくねぇの?」
「そこ……まで?」
その……あのー…耳でもそんなに見られるとハズいです……