黒アゲハ Ⅰ -小さな宝物- 【完】
純と2人で倉庫の中に入ると、もう龍神のメンバーしかいなかった。
それからいろいろ済ませ、あたしに話が聞きたいとのことで龍神の倉庫に帰った。
みんなに手当てをするあたし。
最後の1人は純だった。
「いてっ……」
顔を歪ませる純。
「我慢して」
「乱暴に消毒するな」
「丁寧にやってますって!!」
それを見てクスクス笑うみんな。
もうっ!!
「でもすごかったよね〜結奈ちゃん」
「えっ流星見てたの?」
「みんな見てたよ」
じゃあ……純に抱きしめられたのも……?
「ちゃーんと結奈に殴られたあいつがいなくなるの見張ってたんだぜ」
裕也が得意げに言う。
ってことは……
「あたしが殴ってからみんなはあいつの跡を追ったの?」
「んーまあそうだね」
流星はにこっと笑った。