黒アゲハ Ⅰ -小さな宝物- 【完】
* 黒アゲハ
いつもあたしが座っているソファーに、何者かが座っている。
そして……
「きゃー結奈ちゃぁん!!ちょーイメチェンしてるぅ!!」と言って抱きついてきた。
「……?」
「あらっ。そっかそっか。こんなに変わったらわかんないよね……。私よ私。杏」
「……杏先パイっ!?」
「そうよ♪」
あの美しい杏先パイが……
こんなヤンキー化してるなんて……びっくりしたぁ。
全ッ然わかんなかった……
「今日ね、なんかわかんないんだけど、結奈ちゃんに会いたくなっちゃって……突然来ちゃったの♪」
甘い言い方してるのに、鬱陶しくなく、可愛らしく言う先パイは変わってない。