黒アゲハ Ⅰ -小さな宝物- 【完】


どしよ……//


恥ずかしさのあまり、俯いていると純が「顔あげて?」といつにない甘い声。


そーっと顔をあげると純と目が合った。


「ずっと……俺の隣にいてくれないか……?」


甘く切ない声でそう言った。


「……ぇ」


純のあまりにも真剣な眼差しに、あたしは目を逸らせなかった。


あたしがずっと純の隣に……?

──ずっと……?


コクリと頷いたあたしに、純は触れるだけのキスをしてあたしになにかを握らせた。


< 230 / 262 >

この作品をシェア

pagetop