黒アゲハ Ⅰ -小さな宝物- 【完】
どしよ……//
恥ずかしさのあまり、俯いていると純が「顔あげて?」といつにない甘い声。
そーっと顔をあげると純と目が合った。
「ずっと……俺の隣にいてくれないか……?」
甘く切ない声でそう言った。
「……ぇ」
純のあまりにも真剣な眼差しに、あたしは目を逸らせなかった。
あたしがずっと純の隣に……?
──ずっと……?
コクリと頷いたあたしに、純は触れるだけのキスをしてあたしになにかを握らせた。