黒アゲハ Ⅰ -小さな宝物- 【完】


「で、なんでこんなヤツに?」


流星は笑いをこらえているらしく、少し声が震えている。


「わかんない、あたしも。なんとなくってかんじ。
まぁ……ちょっと付き合えって言われて強引に連れて来られたんだけどね」

「は?強引になんかしてねぇし」

「腕引っ張ってたもん!!」

「ノロノロ歩いてるからだろ」

「純が歩くの早かった!!」

「早くねぇ、フツーだ」

「純のフツーはあたしより早いの、絶対!!」

「早くね…「はい、終了〜。仲良くなるの早いね、お2人さんは」


流星はにこにこ顔。


「別に仲良くなんか……」


ないもん──…


< 64 / 262 >

この作品をシェア

pagetop