『さよなら』は言わないよ。
プロローグ
夏の日の午後
雨が降った。
茶色い髪でショートカット白いワンピースを来た少女が1人傘もささずに、空を見上げて泣いていた。
「この天気……私と同じ。……私の気持ちも、こんな天気。」
―ザァァァァァ
雨は止まず激しくなる一方。
「ヒック……何で、……何で私なの?……これも、運命?……神様、酷いよ。……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
少女は膝を突いて空を見ながら大声で泣いた。
数分後、少女は立ち上がり前を向いた。
「これが運命なら私は………。私がする事は、ただ1つ。」
少女は涙を拭いて前に進んだ。
その少女の目は何かを決意した目だった。
「泣いてても、クヨクヨしても何も始まらない。……前に進まなきゃ。」
そう言い、少女は大通りに出て人混みの中に消えた。
いつの間にか雨は止み、太陽が顔を出していた。