『さよなら』は言わないよ。
帰る準備をしていた彼方に言った。
「え?なんで?」
「ちょっと、先生に呼ばれてて。先に帰って良いよ。」
「だったら俺、待つけど。」
「いや良いの。遅くなるから、先に帰ってて。」
「分かった。」
彼方は納得いかないような顔をして言った。
「も~、そんな顔しないの。明日、デートしてあげるから。」
「分かった!じゃぁな!気を付けて帰れよ!」
明日は土曜日。
目をキラキラさせて帰って行った彼方。
「……ごめん。」
私は、誰も居ない教室に呟いて教室を出た。
いく場所は
校長室。