『さよなら』は言わないよ。
私は、窓の向こうの空を見た。
彼方どうしてるかな?
学校に行ってるかな?
彼女と仲良くしてるのかな?
考える事は何時も彼方の事ばかり。
私は、下を向き自分の姿を見た。
肌はボロボロ。
両サイドの腕には何本もの点滴が刺さり
顔も多分クマが出来て
痩せ細っている。
だって、ご飯が欲しいと思わない。
一言で言うと
「酷い女。」
「お待たせ~。」
看護婦さんが帰って来た。
カラになった、点滴パックを新しい点滴パックに変えながら
「琴ちゃん、また…痩せたね。」
私に言ってきた。
「ちゃんと、ご飯を食べなきゃダメだよ。」
そんな事を言われても欲しくない。
口が喉が食べ物を通さない。
水分は取っているが、食べ物は無理なのだ。