『さよなら』は言わないよ。
後ろの席から声が聞こえたので振り向いた。
「蜜柑(ミカン)~!何で、起こしてくれなかったのよ~!」
「やだね。だって、どんな反応するか見たかったし。」
木下蜜柑(キノシタミカン)
髪は腰まであるフワフワの栗色、目は茶色。
可愛いが、少しSっぽい。
「ひっど~い!あっ、まさか彼方も?」
「そ。」
「でも予想以上の反応だったね。ね、彼ちゃん。」
蜜柑は彼方の事を彼(カナ)ちゃんと呼ぶ。
「彼ちゃん、呼ぶな!そうそう、はひっ!だもんなぁ~。…プッ…思い出しただけで…クッ…笑える…クスクス。」
たが、彼方は呼ばれるのが嫌らしい。
「わ、笑うな~!」
「クスクス…まぁ、そこんとこが可愛いんだけどね。ね、彼ちゃん。」
「うんうん。って、だ~か~ら~蜜柑!彼ちゃん、呼ぶな!!」
彼方が蜜柑の言葉に頷いた後、蜜柑と彼方が言い争いをし出した。