『さよなら』は言わないよ。
残りの病院生活
あれから、私達は付き合い始めて3日経った。
彼方は朝、学校に行く前と夕方、学校帰りに欠かさず来てくれる。
それが、嬉しくて笑顔になる。
看護婦さんに、「この頃、笑顔になったね!」とも言われた。
窓から夕日が私を照らす。
―コンコン
―ガラガラ
「!!……蜜柑。」
彼方と蜜柑が入ってきた。
「こ……と……。」
私の姿を見て蜜柑は固まっていた。
「……アハハ。酷いでしょ、私。」
「そ、そんな事……。」
「点滴だらけでさ、髪は抜けて、痩せちゃったの。酷いよね……私も、この体も。」
「「そんな事ない!」」
言った瞬間、彼方と蜜柑は同時にハモった。
吃驚した。
蜜柑と彼方。
二人とも仲は良くないのに、綺麗にハモった。
「どんな姿になっても琴は琴だよ。酷くなんか無いよ。」
「蜜柑。」
涙が流れた。
この頃、私は涙線が脆いなぁ。