『さよなら』は言わないよ。
『さよなら』は言わないよ。
とうとう、この日がやって来た。
私の命のタイムリミットが。
明日、私はこの世を去る。
今日は、朝から彼方が付き添っている。
昼から、蜜柑が来るらしい。
それまで、彼方と話をしていると不思議に思った事を聞いてみた。
「ねぇ、彼方。」
「ん?どした?」
「何で、私が病院に居るの分かったの。」
「あ~、それはだな。」
「うんうん。」
「弟の見舞い帰りに、琴のプレートを見つけたから。」
「そうなんだ。その弟さんは、大丈夫?」
「うん。もう、大丈夫だって。」
「そっか。」
何だか、ホッとした。
「あっ。」
急に言うから吃驚した。
「な、何?」
「今日は俺、泊まるから。」
はい、私の頭が一旦停止しました。
「え?今なんて?」