『さよなら』は言わないよ。

「何でよ。可愛いニックネームじゃない。彼~ちゃん。」

「あ゛ぁ~、呼ぶな!何処が可愛いんだ、逆に鳥肌が立つわ!気持ち悪い!」

「な~にが、気持ち悪いよ。呼んで貰ってるだけ、有り難いと思いなさい!」

「意味わかんねぇ!何が『呼んで貰ってるだけ、有り難いと思いなさい!』だ!別に、呼んでくれなんて言ってねぇ。」

「あら、そうかしら。顔に書いてあるわよ?呼んで下さいってねぇ、彼ちゃん。」

「キィ~~~!」

「オ~ホッホッホッホッ!」

これは、何時もの事。

「はぁ……。」

それを見て私は、またかと思い溜め息をし見る。

でもこの言い争いも、もう少しで見れなくなると思うと寂しいな。

寂しいと思ったのが顔に出たのか、蜜柑が心配して此方にやって来た。
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