『さよなら』は言わないよ。

彼方は、きつく抱き締めた。

私は彼方の背中に手を回しながら続けた。

「それまではバイバイだから、












『さよなら』は言わないよ。」

私の手がダランとなった。

力がでない。

「わかった。バイバイな。……琴、愛してる。」

彼方がいった言葉が嬉しかった。

ありがとう。

私は、笑顔で涙を流しながら最後の力を出して

「彼方、私も愛してる。……バイバイ、またね。」

彼方にキスをした。

そして、目を閉じて


予定より早く私は、





















この世を去った。


そう、死んだのだ。
< 43 / 49 >

この作品をシェア

pagetop