奇跡 〜LovePiece〜
遅刻しそうで焦る気持ちとは裏腹に、走る気なんてまったく起きない。


春の日差しと心地よい風の中、気分よく学校に向かい歩く。

その時…!!

目の前に、自慢のバイクに股がる男が現れた。

渋谷薫風《しぶやかおる》あたしの幼なじみ。
あたしの家の事を理解してくれてる一人。
薫風とは家が隣で、部屋も隣。
だから、ベランダから勝手に部屋に入って来たり、家に帰ると部屋に薫風がいたりすることもある。
バイトも一緒。
つまり腐れ縁…。

「遅刻しそうなんだろ?
途中まで乗せてやんよ!」
「まぢ!さすがあたしの相棒。気が効く〜!!」

「お前は本当調子ィィよなぁ〜。俺の後ろに乗れる事誇りに思えよ!?」

「はぁぁぃー!!」

薫風にかなり感謝。
遅刻はまぬがれそう!
そして学校近くでおろしてもらった。

「本当ありがとう!!ぢゃぁね〜。」

あたしは手を振り、歩き出した。


すると、薫風の
「あッッ!!」
っと言う声に振りかえる。
「今日、バイトだよな!?
いつもん所で待ち合わせなぁ!!遅刻すんなよ。」

「了解!」

あたしの返事を聞いて軽く手を振り、凄い音とともに走り去った。

< 3 / 61 >

この作品をシェア

pagetop